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流線形と比屋定篤子

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    対話 jiro yamazaki a.k.a. jay-brown

 06年に発表された1stアルバム『TOKYO SNIPER』のあまりにも高いクオリティ、志にノックアウトされてしまったのは、まだ記憶に新しい。70年代のサウンドをそのままやるのではなく、今のリフォームした形でのプレゼンテーション。流線形ことクニモンド瀧口の才能、恐るべし!と思ったものだった。で、今、比屋定篤子のバック・バンドを流線形がつとめるという設定で制作されたのが、この『ナチュラル・ウーマン』。新曲に加え、比屋定篤子のセルフ・カヴァー、大貫妙子、八神純子のカヴァーという構成に、再び快感。

 「今回は、“流線形のアルバム”というよりは、“比屋定さんのバック・バンドを流線形がやっている”というコンセプトで作ったんです。70年代で言えば、いしだあゆみとティン・パン・アレイ・ファミリーみたいな要素を強く出したくて作ったアルバムです。あと、今までヴォーカルは基本的にフィーチャリングなんですけど、バック・バンドとして考えると、流線形のオリジナルを打ち出すというよりは、カヴァーも含めて、比屋定さんの声を楽しむアルバムとして作れたんじゃないかと思います。
(彼女の声の魅力は)すごくストレートで、頑張ってない感じがいいですね。日常生活から生まれ出てくるような歌声。歌う行為って、割と頑張っちゃうところがあると思うんですが、彼女の声は鼻歌的なヴォーカルというか、心地いいんです。系統で言えば、大貫妙子さんとかちょっと近いかもしれないですね。70'sで言うと……例えば洋楽なら、『ローラ・ニーロじゃなくてキャロル・キング』みたいな。情熱的では無くて自然でストレートな感じですかね。
今回のカヴァーの選曲については、レコーディングを始めたのが1年半くらい前なんですが、その時に自分で好んで聴いていたのがたまたまこの2曲だったので、単純にそれをやりたいな、と。八神さんの曲は元は歌謡曲ですけど、比屋定さんが歌ったりバックのノリを変えることで、ダンス・ナンバーというかシティ・ポップ……という言い方あまりしたくないですけど(苦笑)、シティ・ミュージック的なものになるんじゃないかな?と思って。大貫さんの『何もいらない』は、以前から好きだった曲で、是非演奏したいなと。そういうところからカヴァー曲を選びました。1曲目の『ムーンライト・イヴニング』とかは、ちょっとドクター・バザーズ・オリジナル・サバンナ・バンドみたいなテイストでやりたくて。トロピカルな雰囲気の曲って最近あまり聴かないので、それをこの時代に持ち込みたかったんですね。〈ムーンライト〉ってサビやトロピカルなイメージって比屋定さんの明るいヴォーカルに合うので、スチールパンも入れたりとかして。バック・バンドとしてアルバムを制作するとなると、いい意味で成り行きで作れました(笑)。自分のアルバムだと最初から最後まで結構色々と考えるんですけど。コンセプトだけ考えて、なるようになった感じです。彼女のセルフ・カヴァーも入っていますが、ちゃんとしたオリジナルがあるので、オリジナルを越えよう、とか、そういう意気込みでは作っていなくて、単純にアレンジを変えて楽しんで作ることができたという感じですね。とにかく楽しかったです(笑)」(10月20日/駒沢大学にて)

 


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