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MOVIE

『あなたは私の婿になる』監督:アン・フレッチャー 出演:サンドラ・ブロック、ライアン・レイノルズ 配給:〈ウォルト ディズニー スタジオ モーション ピクチャーズ ジャパン〉 10月16日(金)より全国一斉ロードショー

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                                              ©Touchstone Pictures,Inc. All Rights Reserved
 キャリア至上主義のアラフォー女性に、ケアレス・ミスから国外退去というキャリア喪失の危機が訪れる。追い詰められた彼女が火事場の馬鹿力?で絞り出したのは、年下の部下への上司命令としてのプロポーズ、という奇策。

 クラシックでストイックな程タイトなハイ・ブランドの装いを1ミリの隙もなく完璧に着こなして、身のこなしも美しいサンドラ・ブロックは、社内中が怯え上がる程のキレ者上司。貪欲な上昇志向に裏付けされた仕事ぶりは強引に過ぎることも度々で、男性アシスタントの心労は計り知れず、イエス・マンぶりは爪の先までしみ込んでいる。

 自ら招いたピンチから、そのアシスタントに弱みを握られて立場逆転、コントロール不能の事態もしばし我慢の他選択肢なし……と想定外の展開に巻き込まれるうちに、鎧のような戦闘服(ビジネス・スーツ)を脱いだ彼女の、愛すべき側面が見えてくる。
 アシスタントの祖母や動物や男性ストリッパー(オスカー・ヌニェスが絶品!)に翻弄されてのドタバタ・シーンで、絶妙の身体表現を見せるサンドラ・ブロックのコメディエンヌぶりはパーフェクト。じゃじゃ馬だけど実は可愛い、そんな女性像はどこか懐かしいスクリュー・ボール・コメディの趣きで、ウィットに富んだ男女の会話の応酬や全体のテンポの良さも含め、往年のコメディ映画への監督の愛ある目線もうかがえる。そうした作風にバッチリはまった今回のライアン・レイノルズは嬉しい発見、チェビー・チェイスやジャック・レモンを彷彿とさせる情けなく温かい優男ぶりが、今どき新鮮で魅力的。実生活でもスカーレット・ヨハンソンとの格差婚などと囁かれる彼だが、コミカルな役柄に新たなポテンシャルを感じる。

 切欠はパワハラまがいの偽装婚活関係ながら、冷徹なキャリア・ウーマンが、慈しむべき人々の善意を目の当たりにして人生を立ち止まり、利己にも勝る大切なものに気付くまでを描いて、笑ってホロリ、あっという間の1時間48分。元ダンサー&振付師の経験を持つ監督の、天性のグルーヴ感が活かされた演出が光る。
 振付師としても面目躍如なサンドラのダンス・シーンは必見、踊る人の面白さを知り尽くした監督ならでは。(増井志乃)


2009.9.16.update

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