2009©coop99 filmproduktion, Essential Filmproduktion, Parisienne de Production, Thermidor
聖母マリアの「奇跡」を求め、巡礼者が後を絶たないフランスのルルド。水を飲めば悪いところが治るとされ、障害のある者、難病を患う者がすがるような気 持ちで毎年訪れる。そこにボランティア、物見遊山の観光客も加えて、希望と絶望に満ちた“儀礼的な”祭が繰り広げられる。監督は日々行われる「奇跡」の認 定を含む真剣なやりとりを淡々と見つめることで、ルルドの曖昧な立ち位置を炙り出し、脚色のない慈愛とドライなユーモアで写しとる。車椅子の少女が突然の 「奇跡」で歩き出した時の彼女と周囲の変化は、人間の性分を露にする。羨望、嫉妬、失望、不安……。監督がそんな登場人物たちのモデルに挙げたのが、実は あの“ハイジ”。すると必然的に車椅子の少女は誰だか分かるというもの。そう考えれば俄然おもしろさは倍増する。(江口研一)
2011.12.22.update

