青山〈スパイラル〉の地下、数多の美食とライブの饗宴が繰り広げられてきた伝説のインキュベーター〈Cay〉にて、またひとつの伝説が生まれた。
高田文夫先生のもと集まりに集まった才能の数々を、4日間に散りばめた上に、ドリンクやフードを楽しみながら鑑賞出来るという画期的な企画。漫才、フリー・トーク、落語と、もったいない程の精鋭たちが各日に配置されていて、限定200席のプラチナ・チケットをめぐって、更にどの日に絞るか悩ましい酷な豪華さ(泣)。全日程に後ろ髪グイグイ引かれつつ、7月14日を鑑賞。
トップバッターのナイツ、ホームグラウンドの演芸場での安定感に加えて、持ち時間の長さもありネタの組み合わせの自在さを披露。トラディショナルな演芸スポットにもオシャレなライヴ・スペースにも馴染む芸の品の良さが下ネタ込みでも感じられる。
続くイッセー尾形×高田先生のフリー・トーク。一人芝居の雄のマイ・ペース・トークは高田先生をしても予期せぬ展開か、予定調和ゼロで着地点の見えぬ、滅多にないハラハラ感。ライヴの醍醐味はこんな形でも訪れる。
仲入りを挟みステージに高座が設置されて、談春登場。くだけた雰囲気での高座に、この晩かけたのは『百川』。
日本橋の老舗料亭・百川にやってきた、訛りも強烈な田舎者の新米奉公人・百兵衛が巻き起こす微笑ましい騒動。談春による百兵衛はなんであんなに愛くるしいのだろう、可愛がりたくなる。悪人一人出てこないお噺の持つ長閑さに、もうひとつ愛嬌を増して軽い後味が、場にも合っていて心地よかった。
他の3日間はどんなステージでしょう?……想像するにつけ、こんな贅沢な試み、高田先生には是非恒例化を望みたい。(増井志乃)
2009.7.26.update

