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11歳の少女・アナは、白血病の姉に臓器を提供するドナーとなるべく、遺伝子操作されて生まれた。生まれてすぐに臓器移植は始まり、時に大変なダメージを伴う手術も繰り返した。アナの犠牲は姉の命の為には当然の行為と妄信する母親に、ある日告訴状が届く。姉の為の手術を拒否するという内容で、アナが両親を提訴したのだ。少女が衝撃的な決断をした理由とは……。
原題『My Sister's Keeper』という、やりきれない題材。そもそもの設定の倫理性には、どうしても違和感がぬぐい去れないものの、困難な状況における家族のあり様については大いに共感出来る。
重病の娘を持つ家族の一人一人がそれぞれ違う形で強いられる痛みや孤独。死にゆく本人の気遣いや達観の悲しさ。親族の見舞いにうっすら感じ取る距離感。
まだ幼さの残る兄弟も含め、家族全員が精神的負担を暗黙で共有している。そんな彼等をなぐさめるように、一人ずつひとつずつ、それらの心象を丁寧にすくいとる。
原作であるジョディ・ピコーによる全米ベストセラー『わたしのなかのあなた』を映画化したのは、ニック・カサヴェテス。過酷な主題をとりつつ、映画全体が眩しい陽光にくるまれたように希望をはらみ、包容力ある描かれ方をしていて救いとなっている。
愛する家族が病んだ時、その全てを受け入れて支え合う。時に無力だが健気な家族像への、慈愛に満ちた視点。父親ジョン・カサヴェテスによる名作『こわれゆく女』を思い出す。(増井志乃)
2009.8.14.update

