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MOVIE

『クレイジー・ハート』監督・脚本・製作:スコット・クーパー 出演:ジェフ・ブリッジス、マギー・ギレンホール、ロバート・デュヴァル、他 配給:〈20世紀フォックス映画〉 2010年6月〈TOHOシネマズ シャンテ〉他にて公開

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                      ©2009 Twentieth Century Fox
 カントリー界で一世を風靡した伝説のシンガー・ソングライター(ジェフ・ブリッジス)。かつての弟子が人気スターに昇りつめたのと反対に、今や「過去の人」の彼は、荒れたプライヴェートやキツいツアーの辛さを酒で紛らわす孤独な57歳。過去の栄光の残滓に頼るミュージシャンの姿は、リアルで痛々しい。
 取材で出会った女性記者(マギー・ギレンホール)は、そんな冴えない彼をありのまま受け入れ、2人は惹かれ始める。バツイチでシングル・マザーの彼女と、彼女の4歳になる息子との触れ合いを通じて、彼の固く閉ざした心がゆっくりと緩み始める。愛する人と共に生きるという喜びに、光を見出した彼であったが……

 美しいカメラによって切り取られたアメリカの広大な風景が、苦渋に満ちた主人公の葛藤との対比を雄弁に映し出す。
ボロボロになった主人公にもユーモアを漂わせたジェフ・ブリッジスが魅力的。主人公を親身に支える初老のタフガイといえばロバート・デュヴァル、今作でもイブシ銀の輝き!
男と女、それぞれのほろ苦い選択を、ドラマティックな誇張を排して描く。タフでやさしい人生讃歌に心ふくらみ、清々しい余韻が吹き抜ける大人の味わい。

 物語そのものを紡ぎ編んだかのような秀逸な楽曲の数々が隅々にまで配されているので、是非ともエンド・ロール最後に至るまでその雄弁な歌詞にも注意深く耳を傾けて欲しい。『アカデミー』主題歌賞受賞のT=ボーン・バーネットによる楽曲が、如何に映画をより味わい深いものにしているか、最後まで字幕があればより良かったように思う。(増井志乃)

www.crazyheart.jp


2010.4.13.update

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