© 2009 Twentieth Century Fox
ニューヨークの自然史博物館の展示品達が、真夜中になると活動し出すという夢のような着想。そこにかわいい楽しさをいっぱい詰め込んで、確かな映像力を駆使し、見事な娯楽作として大ヒットとなった前作。ジョニー・デップが海賊役で飛躍したように、ベン・スティラーが一部のコメディ好きによる評価からファミリー層にまで人気を得たのも嬉しい作品となった。
一作目に大満足した人々を如何に驚かせるのか……なんと今度の舞台はワシントンD.C.のスミソニアン博物館群! 「博物館群」と表記するのは合計19もの博物館、美術館、動物園などが集まる世界最大の施設の総称だから。膨大な展示品も、全ての所蔵品のうちにわずか2%だという、その倉庫の規模たるや!
巨大な博物館レプリカを建造し、史上初のスミソニアン館内での撮影とも絡めて、CGだけに頼らぬこの上なく贅沢な映像となっている。
舞台も撮影規模も大増幅しているのに、全く大味になっていない目配せの細かさは立派。アナログな編集テクニックでコツコツと笑いを注入したり、出オチのような新キャラの数々は枚挙にいとまないし、手練れのコメディ上級役者たちが喜々として演じる各キャラクターなども、一作目から健在の小ネタの積み重ねのおかしさ。
更に展示品ひとつひとつの見せ方に、隅々まで血の通ったアイデアが行き届き、「ドタバタ」と「笑い」と「ハラハラ」の間に「うっとり」まで注入されている。
前作ではベン演ずるラリーが、息子の為に頑張るという大きなモチヴェーションから始まったが、今回は愛すべき展示品達を守る為に更に走り回ることになる。
その上伝説の女性飛行士、アメリア・イヤハート(エイミー・アダムスが演じて、とってもチャーミング!)とのほろ苦いロマンスまで美しいシーンに織り込んで、王道のロマンチック・コメディ映画の風味まで味わえる。
素敵なアイデアを惜しげもなくサクサクと詰め込んで、ラストの機智に富んだハッピー・エンドまで愛に溢れ、幸福感満タンになる一作。(増井志乃)
2009.7.16.update

