REVIEW&PREVIEW

DISC / LIVE / BOOK / MOVIE / THEATER / ART / EVENT&EXHIBITION / COMEDY / TOWN / TV / TECH / SPORTS

LIVE

ロイ・ハーグローヴ@2月23日〈Blue Note TOKYO〉

IMG_1011.JPG


                     撮影/Great The Kabukicho
 10代のうちに早々と一流のジャズ・ミュージシャン達に認められ、数々のステージを踏んで本格派トランぺッターとしての評価を得た彼は、自らのリーダー作 においては正統派のジャズのみならず一作毎に様々なジャンルとのジャズの融合を試みてきた。ファンク、ソウル、R&B、ヒップホップ、アフロ・ キューバン、ビッグ・バンド……そしてそのどれもが単なる興味本位のトライアル・レヴェルではなく、彼一流の解釈によって完全に具現化された上質なサウン ドに昇華しているのは、彼に共感しプレイを共にしたミュージシャン達の顔ぶれがあまりにも豪華であることも含め、彼の嗅覚が極上のセンスを持っていること を証明している。

 彼の洗練されたセンスは、そのステージングにおいても鮮やかに体現されている。抑制が効いてシックでエレガント、そんな世界観に最初から最後まで存分に浸っていられるのだ。
  一切の無粋を排したスマートなステージ。流れを堰き止めるようなトークやブレイクを挟まず、客を置いていきがちな自己満足的技巧に走らず、それでいてテク ニカルの凄みも存分に伝わってくるし、エモーショナルな盛り上がりを見せる場面でも、フリューゲル・ホーンとミュート・トランペットの音色にはどこか芯が しっかりと冷えたような熱さを迸らせる。クインテットのメンバーも完璧にこのムードに共鳴している。

 小柄で軽快にリズムをとる彼の身体 にぴったりと合った、上質な紺のチョーク・ストライプ柄クラシック・スーツに真っ白なドレスシャツ、白いスクエアのチーフに同じ配色のメガネ・フレーム、 跳ねる足元には白い〈ナイキ〉マークが光る。こんなコーディネートひとつとっても、クラシック&モダンの配合にオリジナルの魔法をかけて魅了する彼そのも の。
 これが2010年現在の、世界で最もクールなジャズ・ミュージシャンと言ってしまおう、もう目をうるませてウットリするしかない程にカッコイイ。(増井志乃)

 26日(金)まで〈Blue Note TOKYO〉、27日(土)は〈Motion Blue YOKOHAMA〉公演です。

 

 


2010.2.24.update

このページの先頭へ戻る