ジャズ・フュージョン・キーボーディストとしての充実した作品群を輩出する傍ら、ポップ・センスをも併せ持つ彼の作品をディスコ・チューンとしてとらえた世代のファンも日本には多い。
今回の公演では「ジョージ・デューク・バンド」と銘打っているだけあり、冒頭からメンバーの卓越したプレイを存分に見せてくれる、観応え聴き応えたっぷりの構成になっている。
人懐こい笑顔で登場のジョージ・デュークが、楽しげに和やかに曲の紹介をするリラクシンな冒頭。
先ずは若きドラマーのスーパー・グルーヴィーなプレイに度肝を抜かれる。過去の楽曲においても彼がリズムを刻めば、2010年現在風味となっていく。バウンシーでグラマラス、それでいてタイトでジャージーなムードも抜群。
ブ ラジリアン・フレイヴァーの「サウサリト」が耳に心地よく懐かしいかと思えば、音楽がアフリカで生まれあらゆる国と時代の音楽ジャンルを生み出したとの着想から、ブラジル~ジャマイカ~キューバ~カリプソ~ブルース~ジャズ~ソウル~ロックそしてアフリカへと帰りつく世界一周音楽の旅を一曲で表現。どんな曲想にも一流の演奏、ドラマーは甘いファルセット・ヴォーカルまで披露、中でも「パープル・ヘイズ」でのハードなパワー・プレイが意外なジャンルにも関わらず完璧にハマっていて感心してしまう。ジャズのパートではスリー・ピースでの演奏に、ジョージ・デュークのジャズ・ピアニストとしての本質にも触れることが出来、その才能の幅広さとバランス感覚を再認識させられる。
女性コーラスのとてもスイートでチャーミングなアクト、若くして目を見張る凄腕ドラム、五弦ベースがうねりまくる手練れのベーシスト、それぞれの見せ場を十二分に発揮出来るように、ジョージが常にサポートにまわっている姿が素晴らしい。
アンコールで往年のディスコ・ヒットをメドレーし、待ってましたとばかりに沸くディスコ世代の姿も多数。後進の才能にスポットをあてるというヴェテラン・アーティストとしての有意義な活動姿勢がうかがえる、目配せの行き届いたサービス精神たっぷりのステージだった。
本日は〈モーションブルー横浜〉、15日は〈ブルーノート東京〉公演もあります。(増井志乃)
www.motionblue.co.jp/schedule/
www.bluenote.co.jp/jp/artist/george-duke/
2010.3.13.update

