ハワイの海風と太陽の香りのするフュージョン・サウンドで70年代に活躍した伝説のグループ、シーウィンド。
ハーヴィー・メイソン、トミー・リピューマ、ジョージ・デュークという、錚々たるプロデューサー陣と共に送り出してきた作品群は、フュージョン・ファンのみならず、クラブ・シーンでも愛され続け、今もキラキラと眩しい光を讃えている。
今年の春になんと29年ぶりにオリジナル・メンバーが集結してのニュー・アルバムを発表、その名もズバリ『REUNION』。その新作を携えて奇跡のリユニオン・ステージが、今回〈ビルボード東京〉に実現したのだ。
ステージに登場したメンバーには年月を感じさせられつつも、「Aloha」と呼びかけて現れたヴォーカルのポーリーンの美しさはあの頃のままで、なんだか嬉しい。
アルバムの構成同様、書き下ろしの新曲に往年の名曲セルフ・カヴァーを織り交ぜて、演奏が進む。そうした楽曲の合間には、ウェイン・ショーターの作品を挟んだり、ジャズ畑出身のメンバーによる確かなプレイも存分に盛り込まれる。このメンバーとしては30年近い活動のブランクのせいか、ジャズ・フュージョンの華やかなりし時代の感覚を真空パックしたようなステージに、かえって新味が感じられる。
決してパワー・シンガーのタイプではないポーリーンが、バンドのサウンドにゆったりと寄り添って歌う様子は、いまだ愛らしく笑顔もとてもチャーミング。
長い歳月を経て再びこんな活動が出来ることへの感謝と喜びの気持ちが、メンバー全員から溢れ出ていて、なんだかいいなあ、と胸がいっぱいに。
アンコールでは「He Loves You」を披露。クラブ・ミュージックから遡って、シーウィンドのファンになったクチには待ってましたの名曲。愛情溢れる歌詞を、包容力ある笑顔で歌うポーリーンの姿に、ふんわりあたたかい幸福感でライブを見終えた。(増井志乃)
2009.7.25.update

