72年に刊行された『作詞入門』に、97年に刊行された『書き下ろし歌謡曲」の「僕の歌謡曲論』を加えた形でリイッシュー。前年、尾崎紀世彦に書いた「また逢う日まで」が『日本レコード大賞」を受賞、一気にトップへ躍り出た中で書かれた今作。丁寧に歌詞ごとに解説したり、タイトル通り、作詞のイロハを指南していくが、旧いお約束を壊し、新しい歌詞の世界を作らんという気概、意志が文章からほとばしり、読む者をロックする。「走りながら充電する」と記す通りのハード・スケジュールの中、「どうにもとまらない」(山本リンダ)、「あの鐘を鳴らすのはあなた」(和田アキ子)、「ピンポンパン体操」、「ざんげの値打ちのない」(北原ミレイ)、「白い蝶のサンバ」(森山加代子)と挙げただけでも、この時期、革新的な歌詞を書いていた阿久 悠の変革マニフェストがこの本なのだと。(山崎二郎)
2009.10.15.update

