太陽族、カミナリ族、みゆき族、クリスタル族、渋カジ族、渋谷系、裏原系と、日本のサブ・カルチャーの歴史はそのまま「~族」、「~系」の歴史であるという視点のこの本は、著者が大学教授であることで論文のようなアカデミー感溢れる文体、構成になっている。で、この著作が発展して、昨年刊行され大反響を呼んだ『ヤンキー文化論』に繋がっていく。
とにかく当時の雑誌などからの引用の緻密さに驚かさせ、数多いことで一方的な決めつけにならず、リアリティを獲得している。さらにリアルタイムで体験したチャプターには、忘れていた頭の海馬がガシガシ刺激されてくる。僕的には当時は大人たちから揶揄された、ブランドものを崇拝し、気分で生活するクリスタル族が、いかに今の価値観の元になっているかを検証出来た。また、それを小説という形で提出した田中康夫の才覚も再評価。
また、『バァフアウト!』も「渋谷系」のチャプターで紹介されているが、これまで読んだ中で一番、90年代前期の渋谷の空気を伝えていることも追記しておきたい、です。(山崎二郎)
2010.3.14.update

