本年度『アカデミー賞』でジェフ・ブリッジスに「主演男優賞」をもたらした映画『クレイジー・ハート』、その作品の素晴らしさについては以前本欄で絶賛した通り。
映画レヴュー時にも触れたように、この作品の魅力の大きな要素を担ったのが「主題歌賞」(「ザ・ウイーリ・カインド」)も受賞したサウンドトラック。
『オー・ブラザー』(00)、『ウォーク・ザ・ライン/君につづく道』(05)のサントラを手掛けた、現代アメリカのルーツ・ミュージックの旗手、T=ボーン・バーネットによるものと聴けば納得。
カントリー・ミュージックのポピュラリティは彼の地とは比べものにならないけれど、削ぎ落とされたサウンドにジェフ・ブリッジス、コリン・ファレル、ロバート・デュヴァル等による味わいある劇中歌は、一聴して沁み込んでくる。
優れたサントラは後々その映画の記憶を開く鍵となるけれど、本作は既にその風格をたたえている。(増井志乃)
2010.5.17.update

